『社長は労働法をこう使え!』に感じる問題点(中)

前回のブログのような記事を書くと「では、何があっても解雇はできないのではないか」あるいは「日本は解雇規制が厳しすぎる」などの声が聞こえてきそうです。
良し悪しは別にして、必要性があり、財務状況を示して議論を尽くし、手順に沿って行われた解雇は多くの場合、裁判で有効とされているのが現状です。現実に、解雇有効という判例は珍しくはありません。
また経営者が、真剣かつ真摯に現状を説明して話し合い、雇用を継続できなかったことを謝罪して…という中で必要最小限に雇用調整が行われるのであれば、争いになることも少ないのではないでしょうか。
しかし日常の相談活動で寄せられる解雇の事案は、理由が不明瞭(経営が厳しいと言いつつ、社長が高級外車を購入するなど)、説明不足(疑問には一切答えない、など)、パワハラによる追い出し(個室に呼び出して恫喝する、など)…といったいわばめちゃくちゃな状況。だからこそ、不安と怒りを持って相談をしてくるのです。
東京ユニオンでもそうですが、ほとんどの相談機関で最も多い相談内容は「解雇」です。こうした現状を見れば解雇規制が厳しいどころか、解雇が経営者の自由に行われていることは明らかです。
めちゃくちゃな解雇であっても、相談者が加入して会社と交渉を行う際には、原則的に話し合いで解決するよう心がけて交渉を進めています。もちろん、必要となれば躊躇することなく創意工夫を凝らして、どこよりも激しく争議を展開するつもりでいます。しかし、東京ユニオンとして争議行為を行うことの決断は、決して安易には行っていないつもりです。
会社に対する恨みから争議を望む組合員もいます。しかし争議行為は恨みを晴らすために行うものではありません。本人の意向は重視しますが、争議を実施するか否かの最終的な判断は東京ユニオン三役及び執行部が行います。このため、本人が望んでも不要だと判断したら争議は行いません。
争議に至らず裁判にもならず、話し合いでの解決が一番望ましい。問題になっている弁護士の記事が「安易な解雇は絶対に避けてください」「話し合うしかない」と指摘しつつも、結果的に退職強要、しかもパワーハラスメントともとれるような言動を許容するような退職強要を容認している、読み方によっては推進しているようにも読めるようになっています。
会社と働く人のその後の行く末を左右するような判断をする際に、経営者にとって真摯な姿勢がどれほど重要か、に触れていないことが残念でなりません。
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