ユニオンが暴対法改悪に反対する理由~労働組合規制に変わり得る危険な状況

先日、暴力団対策法(暴対法)の改定に反対する国会前での行動を呼びかけたところ「なぜ、ユニオンが労働関係法ではなく、暴対法改正に反対するの?」という疑問を一部からいただきました。
 実は、暴力団を排除するという理屈をつけて、民主主義社会の基本的な原則である結社の自由や表現の自由を脅かしかねない危険な動向が進展しています。そのひとつが暴力団対策法の改悪、もうひとつが暴力団排除条例(暴排条例)です。
 まず、暴対法改悪案は2月28日に閣議決定され、すでに今通常国会に提出されています。現在の暴力団対策法の仕組みは、一定の要件にあてはまる暴力団を「指定暴力団」に認定し、所属する暴力団員が企業への不当な要求行為などを行うと、中止命令や再発防止命令を出して、従わなかった場合に逮捕するというもの。
 これに対し、現在、国会に提出されている改悪案は「特定危険指定暴力団」という新たな枠組みをもうけ、市民に危害を加える事件を起こした暴力団を指定。被害を受けた企業の周辺などを警戒区域に設定し、この区域で所属する暴力団員が企業に不当な要求などを行った場合、中止命令などを経なくてもすぐに逮捕できるようにするというものです。
 しかし、そもそも「不当な要求」とはなんでしょう? また、ここでいう「市民」は、後段の「被害を受けた企業」に通じています。
 さらに「特定危険指定暴力団」は一見すると「暴力団」のみが規制の対象となっているようですが、「特定危険指定団体」と変えることで、NPOやNGO、さらには労働組合などあらゆる団体が対象になり得る仕組みになっています。すなわち「企業に不当な要求をした労働組合をただちに逮捕できる」となり得るのです。
 次いで暴排条例について。「条例」とは、地方公共団体が法律とは別に定めるその地域に適用される自主法のこと。2011年10月1日に東京都と沖縄県が暴排条例を施行。他の地方自治体も追随し、現在はすべての都道府県で施行されています。こうした状況が法改悪につながったといえそうです。
 今回の法改悪や条例制定の広がりは、いわゆる暴力団同士の抗争によって一般市民が犠牲になる事件などがあったと言われています。もちろん、こうしたことは許されるものではありません。しかし、法改悪や条例の制定は、警察(国家)への権限の集中を推し進めるものとなっています。
 考えすぎと思われる方もいるかもしれません。しかし、過去には、東京管理職ユニオンも警察による不当な「手入れ」を受けて、存亡の危機を経験しています。
 私たちが現在、当たり前のように享受している権利は、実はとってももろい一本橋の上にあるのかもしれないのです。
(東京ユニオン機関紙「GU」5月号より転載。この記事はインターネット上の「NHK 解説委員会」「ウィキペディア」を参考にしました)
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