たっちーの労働問題講座⑧「整理解雇」ってなに?

 今回のテーマである整理解雇は、一言で言えば「使用者の経営上の必要性による解雇」ということでしょうか。
 「経営上の必要性」ですから、働く者には責任がない解雇。そのため判例では、いわゆる「整理解雇の四要件」(①人員削減の必要性、②人員削減の手段として整理解雇を選択することの必要性―配転や出向、希望退職の募集など解雇を回避する措置を尽くしたと認められること、③解雇対象者の選定の妥当性― 選定基準が客観的・合理的であること、④解雇手続の妥当性― 労使協議、団体交渉など話し合いを実施していること)を示しています。これらの4つのうちひとつでも欠けている整理解雇は、解雇権を乱用したとして無効と判断されていました。
 しかし、昨今では「解雇権濫用の判断は、本来事案ごとの個別具体的な事情を総合考慮して行う」などとして、四要件のいくつかが欠けても整理解雇を認める「四要素」説をとる判例もみられるようになっています。
 さらに昨今では、現状の経営状態が良好であるにもかかわらず、株主への配当を×%確保したい、×ヶ月後に○○○との取引が終了して、その後が不安……など「それって経営上の必要性か?」と突っ込みたくなるような理由で人員の削減を計画し、実行していると思われるケースが少なくありません。
 実は、こうした流れの延長線上にあるのが、昨今話題となっている「ジョブ型正社員」「限定正社員」といわれるもの。これらの最大の目的は、整理解雇の四要件をなし崩しにすることです。
 整理解雇はいわば経営の失策の結果を労働者に負わせる行為ですから、本来、経営者としては恥ずかしいことのはず。しかし、働く者を切り捨ててでも利益を上げ、株主への配当を高めることができる経営者が「良い経営者」と言われる傾向にあるように思います。
 そして、このような働く者の扱いの結果が、昨今の日本企業低迷の最大の原因だと思えてなりません。嘆かわしい……。
(東京ユニオン機関紙「GU」12月号を短縮して掲載)
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