雇用形態という「身分制度」

大学を卒業後、正社員として就職し、その後、結婚や出産を機に退職して、派遣で再就職…女性の就業人口の統計が未だにM字を辿っていることを考えると、こうしたパターンは意外と多いのではないでしょうか。
こうして再就職を果たす女性も、今や男女雇用機会均等法施行後の世代。結婚や出産前までは、いわゆる総合職としてバリバリ働いていたという方も少なくありません。
先日の相談は、まさにそういう女性から電話でした。
「派遣」ということで、年下の正社員から雑用を頼まれる。それもいわゆるタメ口で――。最初は「最近の若い人は…」などと考えて自分を納得させていたが、どうも若い人に限ったことではないことに気づきます。
「汚い言葉で罵られたり、暴力を振るわれたり、ということはないんです。でも、明らかに正社員同士での対応と派遣である私に対する対応や言葉遣いが違うんです。そんなことを気にするほうがおかしいって思うかもしれません。なかなかわかってもらえないかもしれません。でも、感じるんです。人間扱いされていないって」
彼女は震える声で、このように話しました。そして、今は、朝出社しようとすると吐き気や胃痛に悩まされるようになったというのです。
実はこの「人間扱いされていない」という訴えは、彼女特有のものではありません。派遣を中心にした非正規で働く人たちが少なからず、彼女と同様の訴えを異口同音に行っているのです。
以前は総合職として、仕事に対してプライドと責任感を持って働くことができていたから感じるものもあるのかもしれません。彼女の話を聞いていてなんだか、雇用体系という「身分制度」が日本社会に定着し、なじんでしまったかのような怖さを改めて感じました。
しかし、さらに恐ろしいこと――それは就職氷河期などの影響で正社員として就職できないまま社会に出て、一度も人間扱いされたことのない人が、今後、中高年を迎えていくということです。
いったい、これから日本はどんな社会になっていくのでしょう。まさに末恐ろしい思いです。
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