派遣法案の『変更』に関する2つの社説

労働者派遣法が大幅に変更されて、臨時国会で成立する見通しになった。
現時点での会期を考えると実際に成立するかは不明だが、これを受けて読売新聞東京新聞がともに社説で、この労働者派遣法の変更について取り上げた。
読売新聞は「現実的な選択」と評価する一方、東京新聞は「禍根を残す」と指摘する。両方の社説を読んで、読売新聞の視点に決定的に欠けているものがあると感じだ。
読売新聞の社説は「労働者保護は重要だが、派遣労働を過剰に規制すれば、雇用そのものが失われかねない」「労働者派遣法改正案も現実的とは言えなかった」と指摘する。そうだろうか。私は決してそうは思わないし、そうであってはいけないと思う。
労働者派遣法は、これまで常に規制緩和の矢面に晒されてきた。
その結果が、リーマンショックや東日本大震災後に発生した派遣切りだ。その後、現在まで派遣労働は野放しにされ、雇用の劣化が進んでいる。いつ雇用を失うかわからない、生活できるような賃金ではないが仕事がないよりマシ…日常的に、このような不安や不満を抱えている派遣労働者からの相談を受けている身としては、改正案は決して「現実的」ではないとは思えず、「過剰」な規制とも思えない。むしろ、これまでの規制緩和が「過剰」であり、それを正すことが「現実的」でなければならないはずだ。
また「雇用そのものが失われかねない」との指摘は、よくいわれることではあるが、その根拠が極めてあいまいだ。個人的に複数の専門家に尋ねたが、立証できるデータはみつかっていない。
さらに「今年3月には東日本大震災が発生した。復旧・復興には派遣労働者の存在が欠かせない」とも述べる。しかし、復旧・復興には被災地に根を下ろした雇用をつくりだし、新たな街づくり・地域づくりを進めていくという視点が不可欠なはずであり、それは不安定で低賃金な派遣労働では実現できない。
後半では「欧州危機の影響などで歴史的円高になっている。派遣労働が原則禁止となって、雇用者の確保も難しくなれば、製造業の海外移転に一層、拍車がかかるだろう」とも指摘するが、これは「製造業への派遣が原則禁止になっても、円高が止まれば海外移転は止められる」と言い換えた方が適正、かつ、正確ではないだろうか。
まだ間に合う。「禍根」の残らない労働者派遣法の改正を望む。
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