就職支援システムと生活保護制度

先日、厚生労働省が「生活保護の受給者が『求職者支援制度』(10月開始)の職業訓練を受講できるのに拒否した場合、生活保護の打ち切りを可能とする方向で検討に入った」との報道に接した。
就労支援システムと生活保護との連携は急務であり、かつ、重要であることに異論はない。さらにいえば、受給の適正化についてもなんら異論はない。
しかし、それでもなお「求職者支援制度が整備されたことから、制度を活用できるのに、職業訓練を受けて仕事に就く意欲をみせない受給者には、厳しく対処する」との報道に違和感を持ち、その後に続く「年3兆円規模の保護費を抑制したい意向もあるとみられる」との指摘には怒りを感じた。
この報道そのままで見れば、そもそも見えることも数値化することもできない「仕事に就く意欲」はだれがどう判定するのか。結局、保護費の抑制が目的だとしたら、一定数の「意欲のない求職者」をつくりだすことになりかねない。
また、簡単に「就労支援」というが、現在の劣化した労働市場の現状をどうみているのだろう。安定的に働き、自立できる雇用を維持・確保し、増やしていくということも同時に必要なはずだ。しかし、先の労働者派遣法案の「変更」にみられるように、この点についても先が見えない。
長い人生の中では、努力だけではどうにもならないこともあるし、努力したくてもできないときだってある。そんな人生の一時期を支えるのが生活保護ではあるはずで、受給要件が多すぎてはいけない。「おにぎり食べたい」と書き残して餓死した事件があったのは2007年の7月。決して遠い昔の話ではないのだ。
たしかに、生活保護受給者が205万人を超える現状は深刻で、簡単に解決できる問題ではないだろう。だからこそ、意欲を見せない受給者を排除するという簡単な方法による偽りの解決を図ることはしてほしくない。
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