世代を超えた連帯を!

 昨年12月28日、労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会で「今後の高年齢者雇用対策について」が示されました。これは、定年制などについて定めている高齢者雇用安定法(高齢法)の改正に向けた方向性を示すもの。
現在の高齢法では定年年齢を60歳以上と定めつつ、65歳までの安定した雇用を確保するため①定年の引き上げ、②継続雇用制度(希望者を定年後も引き続いて雇用する制度)の導入、③定年の定めの廃止、のいずれかの措置を講ずることが義務付けられています。
 しかし、このうち「②継続雇用制度の導入」の措置を講ずる場合、継続雇用制度の対象から除外できる労働者を労使協定により定めることができる仕組みとなっています。今回の「今後の…」では、公的年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられることに伴い、継続雇用制度を導入した場合でも、基本的に65歳まで希望者全員を対象とすることが盛り込まれました。
だれを除外するかを労使協定で定めることができる制度は、会社がいわば「気に入らない人」を恣意的に選別したとして争いになることもあり、非常に問題があると考えていました。このため、個人的には「今後の…」の方向性について歓迎しました。ところが、相変わらず世代間の争い、いわゆる「高齢者が働き続けることで若者の雇用を奪う」という指摘も一部では見られます。
しかし、「今後の…」でも指摘しているように、一般的には若年者と高齢者とは「労働力が質的に異なる」ため問題となるとは思えません。さらに、労働力人口は減少しています。内閣府の推計によると2000年の6766万人から減少を続け2050年には4228万人にまで減少するとしています(数値は高齢者の就業が進まない場合)。
 にもかかわらず、なぜ世代間競争が煽られるのか――。そのひとつの理由は「既得権益」に対する非難の延長線上にあるような気がします。では、60歳以上の雇用が保障は「既得権益」といえるほどのものでしょうか? 60歳以降の雇用確保措置を廃止すれば、若年者が正社員となる機会が増えるでしょうか?
 いずれもNOだと考えます。まず、60歳以降も働き続ける多くの場合、賃金は大幅に減額されますが、減額された賃金ほど仕事は減っていないのではないのが現状でしょう。また、昨今の企業に広がっている正社員抑制策を見る限り、仮に60歳以降の雇用確保をやめたところで、長期雇用を保障することになる若年正社員が増加するとは到底思えません。
個別企業でみた場合、いわゆる「上がつかえている」ことはあるでしょう。様々な意味で「あの上司さえいなければ…」と考えるのはサラリーマンの常。しかし、人間だれしも等しく年齢を重ねます。現在の高齢者に対する処遇は、現在の若者が将来受ける処遇、否、今、踏み止まれないともっとひどい処遇が待ち受けているでしょう。
 今こそ、世代間の壁を超えた連帯が求められています。
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