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ヘルスケアユニオンだより~「介護離職」を考える~

 親や親族のために離職する方は年間10万人以上、無職で介護している方は266万人、働きながら介護をしている方は290万人にのぼるといわれています。40~50歳台の働き盛りの労働者にとっても、家族の介護は切実な問題になっています。
 介護の現場で働く者としても、働きながら介護をするのは難しいというのが実感です。
 入所施設の空きが少なく、簡単に預けられません。特別養護老人ホームは常に順番待ちができているし、一時的な預かりであるショートステイでさえ、満床のところがほとんどです。介護施設とそこで働く職員が圧倒的に不足しているからです。政府が、施設の拡充や職員の処遇改善をすることなく、「介護は家族の責任」とばかりにすべてを労働者に押し付けているために、家族の介護のために仕事を辞めざるをえなくなっているのではないでしょうか。
ところで、家族の介護をしている方は、育児・介護休業法に定める「介護休業制度」で、要介護状態の家族一人につき上限で93日間休むことができます。しかし、実際に介護休業を利用した人は約8万人と、介護しながら働いている人の3%、要介護の家族を持つ人を分母とするとわずか0.9%にすぎません(2013年の調査)。「介護離職ゼロ」と国が政策を打ち出して、介護休業についても明記していますが、実際は介護休業を使っている方はほとんどいないのです。その理由を考えてみます。
 まずは「介護休業制度」の使い勝手の悪さ。取得予定日の2週間前には申請しなければならないので、緊急に休みたいときには使いづらいのです。また、介護は平均で5年かかるといわれていますが、それに対して取得できる休業の日数があまりに少なすぎます。しかも、介護休業期間の賃金については、労働基準法に有給・無給の規定がないので、事業主は労働者に賃金を支払う義務がありません。賃金を支払うか否かは労働協約や就業規則の定めにより決まります。このため、介護休業した場合、多くは無給になります。
 こうしたことによる収入の減少を補うために「介護休業給付制度」があります。一定の要件を満たした上で、介護休業の期間(介護休業開始日から最長で93日)支給されます。支給額は、原則として「休業開始時賃金日額×支給日数× 67%(上限あり)」です。これではとても生活できませんし、育児休業にはある社会保険料の免除もありません。
 さらには、職場環境の問題があります。人員削減でぎりぎりの人員配置で働いているため、経営者や管理職から理解を得られず、同僚たちに気兼ねして申請できずに苦しんでいる方々は少なからずいます。介護休業の申請をしたら無条件に取得できるように、そして期間や賃金の補償にしても制度を改善する必要があるのではないでしょうか。
 私たち労働組合は、労働者が安心して家族の介護ができるように企業や国に対して要求していく必要があると思います。(加藤)

ヘルスケアユニオンだより~安心の介護保険を!~

 政府は10月12日、「要介護1・2」の人への生活援助サービスを保険対象から除外することの見送りを、社会保障審議会に提案しました。「要介護1・2」の高齢者やその家族、福祉関係者などからの抗議ばかりか、全国180を超える地方自治体の「反対」決議を前にして、さすがにサービス切り捨ては見送らざるをえなかったのです。とはいえ、政府は制度の改悪を決して諦めたわけではなく、11月中にも見直し案をまとめ、来年の通常国会での提出を目論んでいます。私たちは今こそ声をあげていかなければなりません。
 11月1日、私たちも交流のある市民福祉情報オフィス・ハスカップの呼びかけによる「安心できる介護保険を!」という緊急国会集会が開かれ、私も参加しました。
 会の冒頭、財務省と厚生労働省の担当者が制度改定について説明したのですが、その内容はまさに怒りなくして聞けないものでした。財務省の担当者は、「制度の持続可能性を確保するため、中重度者の方の安定的給付が必要」「『軽度者』の『生活援助』の中でも家事援助の利用が多くなっている。本当に重度化予防につながっているか見えてこない。給付の伸びが見込まれる中で、できる限り抑制していく」「本当にプロフェショナルなサービスが必要なのか」などと述べました。「軽度者」への給付抑制と、介護の専門職を「中重度者」へ重点的に配置していくこと、つまり「軽度者」切り捨ての意思を露骨に表したのです。この説明を受けて、識者の方々から相次いで怒りの発言がありました。
 花俣ふみ代さん(公益社団法人認知症の人と家族の会本部常任理事)は、「認知症の高齢者は一番手間がかかるのに、動けるから判定で要介護3以上になることはない。プロのサービスでなくていいというのはおかしい。みるみる重度化してしまうだろう。家族の負担も増えてしまう。かえって給付の負担が増えることになる」と指摘しました。また、鏡諭さん(淑徳大学教授)は、「2015年の改正によって、要支援1・2は市町村が実施する地域支援事業になった。しかし6割の自治体はまだ実施していない。その上で改正論議をしている。大変乱暴であり、現場は大混乱している。批判的な声は多い」と明らかにしました。そして、小島美里さん(NPO法人暮らしネット・えん代表理事)は、「介護職で働く人たちは低賃金など劣悪な労働条件のもとですさみ、追い詰められている。2年前に川崎の有料老人ホームで介護職による殺人事件が起きた。高齢者の方々は慄おののかないのか。一緒に声をあげてほしい」と訴えました。
 サービス削減・負担増一辺倒の見直しでは高齢者の生活を守り、支えることはできません。これからの時代、高齢化は否応なく進んでいきます。お金の心配なく、行き届いた介護が保障され、介護の職場で働く仲間が自らの専門性を発揮し、誇りを持って働き続けられる制度へと、介護保険制度を抜本的に作り直すことが求められているのではないでしょうか。〈K〉

山形運輸抗議行動、スタートしました!

千葉県松戸市にある山形運輸という会社で労働組合を結成したところ、組合に加入していない従業員に「組合に加入したら会社がつぶれる」などと吹聴する不当労働行為を展開。最近は「抗議行動にかかった費用を請求される」などというウソもついています。
組合ができて潰れた会社は聞いたことがありません。また、抗議行動にかかった費用を個別の組合員に請求した組合も聞いたことがありません。
最近では会社は組合を訴えるから巻き込まれる前に抜けたほうがいい、などということも言っているようです。
抗議行動をしたことで裁判に訴えるのであれば、正々堂々と受けて立ちます!
東京ユニオンとしては久しぶりの抗議行動です。闘います! 地域の皆さんをはじめ多くの方々にご理解とご協力をお願いします。
また、抗議行動の動画がアップされています。
ぜひ、ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=FFXhCf7FLjc
https://www.youtube.com/watch?v=YKdlci_XnV8

パイオニアVCで働くみなさん 営業会議でつらい目に合されていませんか?

株式会社ブイキューブ(間下直晃代表取締役社長。以下「会社」)に雇用され、パイオニアVC株式会社(原清代表取締役社長。以下「出向先」)に出向して勤務していた契約社員の雇止め・解雇・ハラスメントをめぐり、組合と会社との間で団体交渉を進めています。
組合員はパイオニアVCでの営業会議で間下副社長他から再三にわたって罵倒されてきました。過去に勤務していた別の方は「給料泥棒! 出て行け!」と言われた人もいると伺いました。おそらく、今なお同じように営業会議で罵倒されている方もいるのではないかと思い、今回、チラシを配布させていただきました。どのような理由があっても、職業人としてのプライドを傷つけるような発言を繰り返すことはパワーハラスメントです。
東京ユニオンは個人加盟の労働組合として36年活動を続けており、秘密厳守で相談を受け付けています。
ぜひ、一度、ご相談ください。

「ニッポン一億総活躍プラン」に違和感~活躍しなくても生活できる社会の実現を!

 政府は6月2日、「ニッポン一億総活躍プラン」を閣議決定した。これは、安倍総理を議長に閣僚や有識者などを集めた「一億総活躍国民会議」で議論してきた内容をまとめたもの。しかし、国はそもそも活躍しなくてもそこそこの生活を保障すべき。また内容をみても、どうにも腑に落ちないことが多々あり。ここでは労働分野ポイントを絞って見ていきます。

●活躍は経済成長のためで経済成長=豊かな人生?
―めざましく活動すること
―勢いよく躍りはねること
 辞書にある「活躍」の意味である。
 改めて、この意味をみたときなぜ「活躍」を促されなければいけないのか? と疑問がわいた。
 プロ野球でも、試合終了後にお立ち台でインタビューに応えるのは活躍した選手1~2人のみ。全員がお立ち台に上がれるわけはない。しかし、活躍した選手の陰にいる活躍できなかった選手がいなければ、試合は成立しない。歌の文句ではないが、「世間歩(ふ)がなきゃ成り立たぬ」である。ぼちぼちやってそこそこの生活を保障することが国の責務のはずだ。入り口からどうにも違和感を持った。
 しかも「今後の取組の基本的考え方」(一億総活躍社会の意義)では「力強く日本の経済が成長していくとともに、その成長という手段を使って、国民みんながそれぞれの人生を豊かにしていくことを目指していく」としている。
これでは、経済の成長がなければ人生を豊かにしていくことができないと言わんばかり。経済成長は手段であって目的ではない。「経済の成長=豊かな人生」ではないはずだ。
 このプランの柱をみると、以下のとおり。
1.成長と分配の好循環メカニズムの提示
2.一億総活躍社会の実現に向けた横断的課題である働き方改革の方向
3.「希望出生率1.8」に向けた取組の方向
4.「介護離職ゼロ」に向けた取組の方向
5.「戦後最大の名目GDP600兆円」に向けた取組の方向
6.10年先の未来を見据えたロードマップ
 前述したように、すべては網羅できないので、この中の雇用・労働に関わる「一億総活躍社会の実現に向けた横断的課題である働き方改革の方向」で挙げている①同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善、②長時間労働の是正、③高齢者の就労促進、について各々を概観してみる。

●疑問符、二枚舌…雇用・労働の3項目
①同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善
「躊躇なく法改正の準備を進める」としているが、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法を上げ、労働基準法や均等法は対象にしていない。
 しかも「どのような待遇差が合理的であるかまたは不合理であるかを事例等で示すガイドラインを策定する」としている。法律を少し変えてガイドラインに委ねる……がみえみえ。「正規労働者と非正規雇用労働者の賃金差について、欧州諸国に遜色のない水準を目指す」というが、実効性に疑問符を付けざるを得ない。
②長時間労働の是正
 「労働基準法については、労使で合意すれば上限なく時間外労働が認められる、いわゆる36(サブロク)協定における時間外労働規制の在り方について、再検討を開始する」としている。その一方で、ホワイトカラー・エグゼンプション=「残業代不払い法案」は、国会に提出されたまま。この法案は36協定の対象にならない労働者をつくり出すもの。
 要するに36協定の規制強化を謳いつつ36協定の対象にならない労働者をつくり拡大しようとしているのだ。二枚舌以外の何物でもない。
③高齢者の就労促進
 「高齢者の7割近くが、65 歳を超えても働きたいと願っている」としている。この一文をみたとき、昨年、検診で病院に行った際に見かけた老人の姿が浮かんだ。
 彼は、毎日30分以上、徒歩で通勤していると話した。戦時中、十分な教育が受けられず文字の読み書きができない。口頭で確認しながら受付表に記入してもらっていた。
 ここで働きたいとされた7割のうちかなりの割合は「働かなくては生活できない」から「働きたい」のではないか。『下流老人』という本も売れている。高齢者の就労支援そのものは否定しないが、日本に在住するすべての市民に対して65歳を超えたら働かなくても生活ができる補償を国として実現してからの話だろう。

●国の政策、あり方はどうあるべきか?
 今回は雇用・労働分野に関わる部分に焦点を絞って解説した「ニッポン一億総活躍プラン」。しかし、安倍政権が発足して最初に実施した労働政策は労働者派遣法の改悪だ。舌の根も乾かぬうちに、とはこのことで信じられるはずもないし、指摘したように「ニッポン一億―」は内容もチグハグ。まやかし以外何物でもない。今回、その一端を感じて、共有していただければ幸いだ。
プロフィール

書記長・関口

Author:書記長・関口
東京ユニオンは働き方などにかかわらず、一人でもだれでも入れる労働組合です。ひとりで悩まずにご相談ください!
電話:03-5354-6251(祝・祭日を除く毎週火・木曜の18時~21時を集中相談に設定しています。お急ぎでない方は、この時間帯にご連絡ください)

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